2015年5月18日月曜日

ムネアカオオアリ多雌実験

今日は曇天でスッキリしないなぁ…と思えばまたオオアリ属の飛行があったようです。
職場のガラスにクロオオアリの姫、雄アリがくっついていました。

そう言えば
トビイロケアリAのワーカーがいつの間にか脱走してました…
もう8匹位しかいません…
いつ、どこから、逃げたのか…全滅でないだけ良しとしましょうか…

5月17日(日)の鹵獲くろがねありんこ

○アメイロアリ



お腹でかいねぇ。輪切りにした内径10mmチューブの中に居ます。

自宅裏の材木置き場でヨツボシオオアリを探していて偶然発見。
女王蟻は初見。
飛行データを見直してみれば、なるほど確かにこの時期に飛んでいる。
比較。我が家のリュウキュウアメイロアリ【ツヴィリンク】
リュウキュウアメイロアリよりも無印は色が淡い感じ(光の当たり具合のせいかな?)。
お腹の大きさが違うのは…個体差?

本題 ムネアカオオアリ多雌実験

アメイロアリと同じく日曜日、ムネアカオオアリ2杯(内1杯未落翅)を鹵獲。
鹵獲時の持ち歩きケースから飼育ケースに移す際、ちょっと失敗し逃げられたのですが、その時ムネアカオオアリ姫同士のこんな光景を目撃。
栄養交換!
ん?
んんん?
こんな簡単になじむのか!?
確かにほぼ同じ場所(自宅裏材木置き場)で捕まえたのですが…
結婚飛行を行ってバラバラになるのでしょうから、同じ場所で捕まえたイコール同じ巣の姫蟻…とはいかない…よね?
などと考えつつも非常に仲睦まじいこの姫蟻達を見ていると、自分のようなド素人同然のペーペーくろがねありんこ飼育者にも出来る気がしてしまったのです…

ムネアカオオアリ多雌実験

クロオオアリ属は言うまでもなく基本は単雌。
多雌営巣は、創設時こそ仲が良いものの産卵、幼虫の孵化、ワーカーの羽化(羽化って表現は当たっているような当たってないような…?)など、もしくはある日何の前触れもなく突然敵対行動を示し、崩壊するのが常道のようです。
ただし、稀有な例として多雌を維持しているような記述も見られました。

やってみたいじゃないですか!
見てみたいじゃないですか!
この目で、見て、感じて!

勝手に、まずスタート地点の「多雌営巣開始」自体が非常に難しいと思い込んで(実際はどうだろうか?)いましたので、もっと経験と知識を高めねば出来ぬものと考えていました。
でも、このような光景を目の前で見てしまうと好奇心がうずいて仕様がありません。
こうなるとクロオオアリも意外といけるのでは?と思いつつも…今年はまだ落翅個体が2杯…余裕がないので見送ります。

☆開始~5月17日(日)~☆

同じ場所で捕まえた個体が仲が良いと言うのならば…土曜日に鹵獲したムネアカオオアリ【仮『赤』】と【仮『天』】も同じ場所だ。
【仮『鳳』】は捕獲場所も遠く離れ、体も小さい為、諍いが起きた際危険と判断し対象から除外。
【仮『赤』】も既に産卵している。これも対象から外す。

残ったのが【仮『天』】と、日曜日に捕獲した2杯。


試しに3杯を同居させてみたが、仲は良い。【仮『天』】も非常によくなじんでいる様子。
ただ、日曜日に捕獲した翅付1杯は未交尾の可能性が高い為、一時外す。
残りの2個体を同居させ(ムネアカオオアリ【NK-1】)一晩置いた。

今日5月18日(月)産卵を確認。
さらに先述した自宅裏の材木置き場で再びムネアカオオアリ姫を発見。
【NK-1】への導入を試みたところ、従来の姫蟻2杯が少し警戒する様子も見られたが、栄養交換を確認。
ひとまずこの3杯で様子を見る。ムネアカオオアリ多雌コロニー『NK-1』
明日の朝になって卵がどうなっているか、姫蟻達に欠損がないか、争いがないか、これから注意深く見ていく必要がある。

ちなみに飼育ケースは【仮『鳳』】に引っ越していただき、75式単蟻装置21型を用いた。
少しだけ改造を施した。

容器内空間の半分にメラミンスポンジを詰め込んだ。
くろがねありんこの行動は複雑なようで根本を辿れば極めて単純な判断の繰り返しによるもののはず。
敵味方(身内と非身内)の判別は体表炭化水素の組成比によるものとされている。
たとえ身内でも、他の巣のくろがねありんこと激しく取っ組みあって帰ってくれば、『敵』と見做され、殺されてしまうことがある。
相手方と味方方の体表炭化水素が混ざり合ってしまった結果と言う訳だ(厳密には違うのかもしれないがとりあえずそういうことにしておく。)
身内なら黙っていても均一なモノになるかと言えばそうではない。
何もしないとワーカー達の体表炭化水素の組成はバラついていくと言うのだから面白い。
それぞれ『個性』をもっているということだ。

そのため『均一化』が必要なわけだが、理想的なのは互いの体をなめ合い、グルーミングすることだ。
自然に、確実に互いの体表炭化水素が混ざり合い、均一化される。
だが、元々単雌のムネアカオオアリに期待するような習性(女王蟻同士のグルーミング)があるかどうかは疑わしい。
前置きが長くなったが
ならば黙っていても体が触れ合う様になってもらおうというのが、この内部空間削減の思惑。
いくらなんでも自分自身のグルーミングは行うだろう。
何かしら動く時に体が触れ合う…それが少しでも『均一化』の助けになればと思っている。

ワーカーが誕生して仲違いが起きるのは仕様がない。
だが、その遥か前の段階で失敗ではあまりにも情けない。
非常に難しく、成功の可能性はほぼ無いのかもしれないが、少しでも上手くいくよう、考えていきたい。
しかし、昨年行ったカワラケアリの多雌実験よりは姫同士の親和度は高いように思う。
やはりムネアカオオアリ【NK-1】は同じ巣から飛び立った姫同士ということなのだろうか?
これからの展開を注視していきたい。


姫探しの途中で見つけたゾウムシさんの写真を載せて
この何とも言えない表情がたまりません(可愛い)
今日は終幕。

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